2級船舶免許で乗れる船は?免許の種類と操縦できる船を解説

2級船舶免許で乗れる船の種類と制限

2級小型船舶操縦士免許で乗れる船のバリエーションは、多くの人が想像するより幅広いものです。フィッシングボートからクルーザー、ゴムボートやウェイクボードを引くセンターコンソール艇まで、レジャー目的のボーティングはほぼすべてカバーできます。

この記事では2級で「できること」と「できないこと」を法令に基づいて正確に整理します。「2級で十分か・1級が必要か」の判断基準も解説するので、免許選びの参考にしてください。

2級船舶免許(2級小型船舶操縦士)とは

2級小型船舶操縦士免許は「船舶職員及び小型船舶操縦者法(平成13年法律第23号)」に基づく国家資格です。同法が定める「小型船舶」のうち一定の種類・サイズを操縦できる権限を与えるものです。

項目2級小型船舶操縦士
根拠法令船舶職員及び小型船舶操縦者法(平成13年法律第23号)
乗れる船の大きさ総トン数20トン未満・長さ24m未満の小型船舶
航行区域海岸(基線)から5海里(約9.3km)以内
河川・湖航行可能(ただし一部制限区域あり)
水上バイク乗れない(別途「特殊小型」免許が必要)
旅客営業目的(有償輸送)不可(別途資格・許可が必要)
取得年齢16歳以上
有効期間5年(更新制)

2級免許で乗れる船の種類

① プレジャーボート(レジャー用モーターボート)

最もポピュラーな用途です。アルミボート・FRP製のモーターボートなど、レジャー目的の船全般に乗れます。エンジン出力・サイズも様々で、小型のトレーラブルボート(車で牽引して運べるもの)から、数人乗りのスポーツボートまで幅広く対応します。

② フィッシングボート(釣り船・アングラーズボート)

沖釣りを楽しむための専用ボートです。電動リール用の電源・ロッドホルダー・ライブウェルを装備したものが多く、アジ・タイ・タチウオ・青物などの魚種を狙えます。2級免許で海岸から5海里(約9.3km)以内の沖合まで出ることができます。

③ ゴムボート・カートップボート

車に積んで持ち運べるゴムボートや小型のカートップボートも2級で操縦可能です。エンジン(船外機)を取り付けて使用する場合は免許が必要です。気軽に始めやすく、釣り目的で人気が高いカテゴリーです。

④ 小型クルーザー(デイクルーザー・キャビン付き)

2〜8人程度が乗れるキャビン付きのクルーザーです。デイクルージングから仲間との日帰りショートトリップまで楽しめます。ただし2級の航行区域(海岸から5海里)に限ります。本格的な外洋・夜間航行クルーズには1級免許が必要です。

⑤ 水上バイクのトーイング(引っ張る役)

ウェイクボード・ウォータースキー・チューブ乗りなど「ボートで人を引っ張るウォータースポーツ」はすべて2級で行えます。引っ張られる人(ウェイクボーダー等)には免許は不要です。

2級で「できること」「できないこと」を整理

内容2級でできる?補足・根拠
釣り(沖釣り)◎ できる海岸5海里以内の沖合まで
大阪湾・淡路島周辺のクルージング◎ できる(ルートによる)5海里以内のルートに限る
ウェイクボード・チューブ乗り◎ できるボートで引っ張るスポーツ全般
河川・湖でのボート操縦◎ できる(水域による)条例・規制がない水域に限る
夜間航行◎ できる法定灯火の確認と航行ルールの遵守が必要
水上バイク(ジェットスキー)操縦✕ できない特殊小型免許が別途必要(小型船舶操縦者法の定め)
外洋・遠洋クルーズ(5海里超)✕ できない1級免許が必要
旅客の有償輸送(お客さんを乗せてお金をもらう)✕ できない小型旅客安全講習等の追加資格・許可が必要

1級・2級・特殊小型の違いまとめ

免許の種類乗れる乗り物航行区域取得年齢最短日数
特殊小型水上オートバイのみ海岸2海里以内16歳以上1.5日
2級小型船舶ボート全般(水上バイク除く)海岸5海里以内16歳以上2日
1級小型船舶ボート全般(水上バイク除く)制限なし18歳以上2〜3日

「釣りやクルージングを楽しみたい」という方の多くには2級で十分です。2級の航行区域(5海里≒約9.3km)は、大阪湾・淡路島北側周辺・神戸沖などを十分カバーします。1級が必要になるのは、それを超えた外洋・遠洋エリアに出たい方です。

ライフジャケット着用義務(2022年2月施行)

2022年(令和4年)2月1日施行の法改正により、すべての小型船舶乗船者へのライフジャケット着用が義務化されました。ボートも対象です。

  • 操縦者だけでなく同乗者全員が着用義務の対象
  • 使用するライフジャケットは国土交通省型式承認品(桜マーク付き)が推奨
  • 操縦者(免許保持者)が乗船者に着用させなかった場合、行政処分の対象になる可能性がある
  • レンタルボートでもライフジャケットは提供されるが、自分でフィット確認をすること

2級取得後に知っておきたい法令・ルール

航行区域の遵守

2級の航行区域(海岸5海里以内)を超えて航行することは小型船舶操縦者法違反です。「気づかなかった」では済まないため、出艇前に航路と距離を確認する習慣をつけましょう。スマートフォン用の海図アプリも便利です。

飲酒操縦の禁止

酒気帯び状態での小型船舶操縦は小型船舶操縦者法第23条の6で禁止されています(2026年6月現在)。免許の効力停止等の行政処分の対象となります。

船舶の法定備品

ボートを所有・操縦する際は、法令で定められた法定備品(救命浮環・バケツ・消火器・信号紅炎等)の搭載が必要です。船舶検査(小型船舶安全規則)を受けた船には備品一覧が定められています。

速力制限・航行禁止区域

港則法・海上交通安全法に基づき、港内・指定水域での速力制限があります。遊泳区域内のボート航行も各地の条例・規則で禁止されているケースがほとんどです。

2級免許で楽しむ大阪湾・近郊フィールドガイド

2級の航行区域(海岸5海里以内)を活かせば、大阪湾・関西エリアで多彩なマリンレジャーが楽しめます。免許取得後のイメージを持つ参考にしてください。

大阪湾(北大阪・南大阪エリア)

大阪市内・堺・泉大津などのマリーナから出艇できます。関西国際空港の離着陸を海上から眺めながらのクルーズが人気で、湾内は波が穏やかなため初心者にも最適なフィールドです。タチウオ・アジ・サバ・シーバスなど多彩な魚種が狙えます。

神戸沖・須磨エリア

神戸市内から出艇すると、六甲山を背景にした神戸港クルーズ、須磨浦の透明な水域でのフィッシングが楽しめます。明石大橋を間近に眺める海上からの景色は迫力があります。

淡路島北端エリア

明石港から淡路島の岩屋港まで約2.2海里(約4km)。2級の航行区域5海里以内の範囲内でアクセスできます。透明度の高い瀬戸内の海でフィッシングやクルージングを楽しめます。ただし明石海峡は潮流が強く複雑なため、初心者は潮見表の確認・経験者の同乗をおすすめします。

和歌山・加太エリア

大阪南部のマリーナから出艇すると、「鯛の産地」として有名な加太周辺にアクセス可能。引き潮・上げ潮を読んだタイラバ・餌釣りが人気です。

2級船舶免許の取得費用と日数

項目内容
推奨取得方法国家試験免除コース(登録小型船舶教習所)
最短取得日数2日(学科1日+実技1日)
学科講習12時間
実技講習4時間
費用相場(総額・税込)70,000〜100,000円程度
ALPHA MARINEの2級+特殊セット135,000円(税込)

よくある質問

Q. 2級免許で瀬戸内海を横断できますか?
A. 航行区域(海岸から5海里以内)に収まるルートであれば可能です。ただし瀬戸内海は潮流が複雑で船舶通行量も多いため、航行計画・気象確認・緊急時の対応を十分準備した上で出航してください。特に初心者は経験豊富な方の同乗をおすすめします。

Q. 2級でも夜間の航行はできますか?
A. できます。ただし法定灯火(ナビゲーションライト等)の確認・海上交通法規の遵守・視界不良への対応が必要です。慣れるまでは昼間の航行から始め、夜間は水域・航路をよく知ったうえで行うことを強くおすすめします。

Q. 2級で乗れる船の人数制限はありますか?
A. 船舶ごとに「最大搭載人員」が船舶検査で定められています(船舶安全法に基づく)。この人数を超えての乗船は違法です。レンタルボートの場合はその船の定員を確認してください。

Q. 2級で河川・湖でのボート操縦はできますか?
A. できます。ただし河川・湖ごとに地域の条例・規則で航行が制限または禁止されている水域があります。例えば「エンジン付きボートの航行禁止」を定める湖も存在します。利用予定の水域を管轄する自治体や河川管理者に事前確認することをおすすめします。

Q. ボートを購入しなくても2級免許を活かせますか?
A. はい。マリーナのレンタルボートを利用すれば、所有なしでも免許を活かせます。まずレンタルで経験を積み、どのような艇が自分のスタイルに合うかを見極めてから購入を検討する方が多いです。

まとめ:2級免許があれば関西の海を思い切り楽しめる

2級小型船舶操縦士免許があれば、総トン数20トン未満の船で海岸から5海里以内を自由に航行できます。大阪湾・淡路島周辺のクルージング・沖釣り・マリンスポーツを満喫できる、レジャーに最も役立つ実用的な資格です。ライフジャケット着用義務など法令で定められたルールを守ることが、安全なマリンレジャーの大前提です。

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監修:ALPHA MARINE(国土交通省登録 小型船舶免許教習所/大阪校・神戸校)

【法令確認について】本記事の法令情報は、2026年6月現在の「船舶職員及び小型船舶操縦者法(平成13年法律第23号)」「小型船舶操縦者法施行規則」「船舶安全法」「港則法」「海上交通安全法」および2022年(令和4年)2月1日施行のライフジャケット全員着用義務化規定に基づいています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報は国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp)でご確認ください。

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